こんにちは。山崎です。
この記事は スターフェスティバル - Qiita Advent Calendar 2024 - Qiita に参加しています。
スターフェスティバル アドベントカレンダーの最終日を担当させてもらいました。
スタフェスに入社してからはZennにブログ記事書くことが多かったので、こっちのブログに書くのは気がついたら2年ぶりくらいです。 Zennでも良かったのですが、なんとなく個人ブログのほうが気兼ねなく書けそうだと思って今回はこちらで記事を書くことにしました。
今回は、スターフェスティバルのCTOが2024年9月に退任して、そのバトンの渡し先として、CTO室の立ち上げ、その組織のリーダーを任せれることになったので、CTOが退任した組織について記録として残します。
WEB検索すると退任したCTO側の記事って結構ありますが、残った側ってあまり情報ってあまり無いなと感じたので、同じような状況になった方の少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに前CTOのSotarokさんが退任やCTOとしての考え方を最近書いてくれていたので、興味があるかたはこちらに。 note.com
1. 自分の経歴
はじめに簡単に自己紹介させてください。
スターフェスティバルには、2022年7月にインフラエンジニアとして入社しました。そこから2年半くらい立ちますが、CTO室を任せてもらうまでに、インフラだけでなく、データ基盤チームやエンジニア採用にも関わってきました。スターフェスティバルの前にはSierを何社か経験していますが、基本的にはインフラエンジニアとしてプロジェクトに関わっていました。
Sier時代にプロジェクトリーダーはやっていましたが、ピープルマネージャー経験も長いわけではなく、今年の4月にはじめてマネージャーになりました。
正直マネジメント経験やアプリケーション開発経験が豊富っていうわけではないです。なので、後述のCTO室ではCTO室のシニアエンジニアやメンバーと役割分担を行い、チーム全体でCTOと同等の成果を生み出していく、そんな組織として機能しています。
堅苦しい話だけ人となりが見えなさそうなので、プライベートの話も。
私は4歳と1歳の子どもがいるため、仕事が終わればほとんど子どもと遊んで過ごしています。ときどき同僚と子連れで遊ぶこともあります。
猫を2匹飼っていて、猫たちも子どものような存在なので、家の中は子どもがたくさんいるようなにぎやかな雰囲気です(笑)。
もちろん仕事も全力で取り組みたい思いはありますが、今はプライベートとのバランスを大切にしているところです。
2. CTO室立ち上げの経緯
さて、本題に戻りまして、改めてCTO室が立ち上がった経緯についてです。
それまでスタフェスには、CTO室という組織はなく、CTOが技術領域全般を見ているという状態でした。
そこから、冒頭にも書きましたが、今年9月にCTOが退任することとなり、それに伴い、技術領域の意思決定を担う人材・組織基盤が必要になりました。 当初はCTO候補も数名挙がっていたものの、経営やCPO、シニアマネージャーと話あった結果、現メンバーの経験やスキルセットを踏まえて、個人としてCTOを据えるのではなく、CTO室という組織体制として技術面の意思決定を行う方針としました。
現時点ではCTOが不在ですが、今後、適任者が社内で成長する、あるいは外部から参画すれば、CTOを再度配置する可能性もあると考えています。
CTO室として取り組んできたこと
前CTOが担っていた組織の将来設計やプロダクト戦略、事業・技術の優先度管理などは、CTO室として引き続き経営と伴走しながら検討・意思決定しています。その上で、技術と事業の間に立って最良の成果を出すためにまずCTO立ち上げ当初については、以下の2点を意識して進めてきました。
① エンジニア組織の再編成
② CTO室としての新たな「CTO業務」体制の構築
① エンジニア組織の再組成
CTOからCTO室という新組織への移行したタイミングではやはり漠然とした不安や閉塞感が生まれていたかなと思います。私たちが特に意識したのは、これまでエンジニア組織が大切にしてきたバリュー(Be a Leader / WoW / Go All Out)を失うことなく、むしろより強固なものにしていくことでした。
社内向けの活動
CTO室からの情報発信の場である「CTO Office Radio」の隔週開設や、シニアエンジニアによる新たなメンタリング施策「KABE-UCHI」を導入。さらに、これまで続けてきた定期的な1on1ミーティングも引き続き実施しています。このように、情報発信から個々のメンバーへの働きかけまでをカバーすることで、バリューの持続・強化を図っています。
採用の再開
バリューに共感できる新たなメンバーの採用にも注力しました。これまで採用は一時的に止まっていたのですが、CPOやシニアメンバーと協力し、約2週間で経営との合意を得た上で採用活動を開始しました。 採用再開にあたっては新たに採用チームを組成する必要がありましたが、多くのエンジニアが協力してくれたので直ぐ採用チームの立ち上げをすることができました。
② CTO室としての新たなCTO業務
また、前CTOのやり方を踏襲するだけでなく、試行錯誤しながら新しいCTO業を始めています。
具体的な例としては以下の2つが新たに始めたことです。
部門横断的な連携強化:
運用や経理や営業などの各事業部が抱える技術的課題を定期的なミーティングでキャッチアップし、スムーズな解決や今後のプロダクト投資計画に反映できるようにしています。エンジニア以外の組織の技術面での不安や不満は意外と相談先がなく、抱えてしまっていることがあるので、定期的にコミュニケーションできる場を設けて、どの課題をプロダクトの力を使って解決し続ける状態を作るのかを考えられるようにしています。技術組織の成長支援:
エンジニア組織の再組成に関わる取り組みとも重複しますが、CTO室を中心に、技術的な成長を促す仕組みづくり(KABE-UCHIなど)を進めてきました。ここでは、CTO室のマネージャーを務めるシニアエンジニアのあひるさんがリードを取り、新しい施策をバンバンと打ち出してくれています。
これらの取り組みは、1人でやるのではなくCTO室のメンバーにも協力やアドバイスをもらいながら進めています。これまで1人で担われていたCTOという役割を、CTO室全体で分担し、それぞれの強みを発揮できる体制でCTO業務ができるように考えて動いています。
3. CTO室として4ヶ月活動してみての振り返り
CTO室として新体制で動き始めて、約4ヶ月が経ちました。 時が流れるのが早い...
正直なところ、課題も残っていますが、この期間を振り返れば、まずまずのスタートが切れたのではないかと個人的に感じています。
組織全体の動き
社内では、CTOからCTO室へ意思決定の場がシフトしつつあることが徐々に認識され始め、さまざまな相談がCTO室に寄せられるようになりました。 正直なところ、自分ひとりでは対応しきれない内容もありますが、そこはCTO室内で得意分野を持つメンバーにリードをお願いするなど、チームとして対応する体制が少しずつ整ってきています。
また、前CTOと同じような距離感で経営陣とやりとりができるようになり、意思決定もスムーズに進められると感じています。少なくとも週に一度はコミュニケーションの場が設けられ、長期的な経営方針もその都度共有してもらえるため、プロダクトの方向性やエンジニア組織の在り方について、経営陣を含めて日々議論を重ねられるようになりました。
エンジニア組織の動き
エンジニア組織内の動きも活発になっていっているのを感じます。
その大きな支えとなっているのは、スタフェスのバリューを今も体現し続けている多くのメンバーの存在です。社内勉強会への自発的な参加・開催など、エンジニア組織を盛り上げようと主体的に行動する人たちが大勢います。もちろん、横断的な活動だけではなく、変化の多い状態でも変わらずプロジェクト内でパフォーマンスを出し続けて貢献してくれているメンバーもいます。
これらの行動を見て改めて感じたのは、以前からSotarokさんが謳っていた自立した組織であるからこそ、自分たちのビジョンに向かって、"自分"が今何をできるかを考えて行動している結果なのではと思います。
自律した組織というのは、つねに経営からメッセージや指示がなくても、ビジョンに向かって自分たちが何をすべきかを定義し、主体的に行動し、課題があれば解決に動く。そして、必要に応じて経営にアラートを上げることができる組織です。
最近、あひるさんが「10分勉強会」を企画してくれたおかげで、社内で勉強会が頻繁に開催されるようになりました。さらに、CTO室のメンバーがワークフローをサクッと整備してくれたことで、勉強会を開催するハードルも大幅に下がりました。まさに “Be a Leader!” の精神を感じます。
ログラスさんとかANDPADさんがやってると聞いて、うちでも10分勉強会やりたいな〜とか言ってみたら @nano72mkn が一瞬でワークフロー作ってくれて、それが便利だったおかげで10分勉強会がわらわら開催するようになって、めちゃくちゃ最高なんだが.... pic.twitter.com/TVaPg2kOyw
— 吉田・D・あひる (@strtyuu) 2024年12月5日
4. ポジティブなことや課題感
組織的な面
CTO退任という大きな変化があった一方で、ポジティブな面も感じています。その一つとしては、これまでのボトムアップ文化は、より強固になりました。現場で実施される改善やエンジニアを跨いだ新たな施策が、組織全体へと波及しやすくなっていると感じます。実際、先述の勉強会や新しい取り組みが自主的に生まれ、成果としてあらわれています。
一方で、課題もあります。CTO室のメンバーは多くがプロジェクトと兼務状態で、CTO室としての活動に十分な工数を確保しにくい状況です。今後は採用状況やプロダクトの進捗を見極めつつ、どのように時間を捻出し、役割を割り振っていくかを模索していく必要があります。
個人的な面
個人としては、まだまだ勉強中ですが、経営方針を理解し、プロダクトとの足並みをどう揃えていくか、そしてエンジニア組織をどんな形に進化させるかを、より強く意識するようになりました。また、経営と話をするためにも開発投資のROIについては常に意識するようになりました。
ROIに関しては個人的にも課題を感じています。技術負債の解消や社内基盤の強化など将来を見据えた投資は、短期的な売上に直結しないため、どうしてもROIを明示しづらいのが現状です。
すでに一部で技術負債の解消や社内基盤の強化に向けた取り組みが進んでいますが、今後は経営陣や現場のエンジニアとの議論を重ねながら、将来に向けた開発の比重を調整しつつ、スターフェスティバルの将来に最適な解を探していきたいと考えています。
5. 終わりに
長くなってしまったので、そろそろおわりにしようと思います。
CTOの退任は、組織にとって本当に大きな出来事でしたが、それをCTO室メンバーをはじめとして、エンジニア組織全体で乗り越えて、会社としても組織としても徐々に前を向いて進むことができるようになりました。
もちろん、うまくいくことだけではないですが、基本スタンス的にはなんとかなるだろうと思っているので、目の前やれることをやってきまっす💪💪
最後にPRですが、一緒に働いてくれるエンジニアを募集しております!
新体制となったいま、裁量が大きく、事業の未来にプロダクト面から貢献したいと考えている方にはとてもフィットする環境です。
カジュアル面談などで、プロダクトが抱える課題やその先にある未来について、ぜひ一緒にお話ししましょう。お待ちしています!
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2024年後半は本当に怒涛の毎日だったけど頑張った〜〜〜〜。
以上です!また来年!!!